はじめに言っておきますと、操体と整体は全く異なるものです。

整体と操体とか、ミックスしている場合もありますが、操体の特性を本当に理解してやっていらっしゃるのか、疑問に思うこともあります。

一番異なるのは、他力の療法が、先生と被験者の「一対一」であるならば、操体は、被験者、被験者のからだ、操者の「三位一体」であることです。
ここを押さえておかないと、「操体」をやっているといっても、単に可動域の大きいほうに動かして、極限まで行ったら脱力に導くのならば、PNFと同じです。

「 操体というものをやっています」というと、ほぼ100%の割合で「整体とどう違うんですか」「整体じゃないんですか」と聞かれます。

まあ、整体でなくともいいのですが、一般的は「他力的療法」との違いを一言で言うと、

「整体は、悪いところを動かす。
操体は、良いところを動かす」

「操体は、きもちのよさを味わっていただくことにより、ボディの歪みを正します。
ボディの歪みを正すことによって、症状疾患を、二次的に、根本から解消します

そもそも私や達東京操体フォーラム実行委員が「操体やってます」というと、あるいは今現在勉強中の皆さんが「操体勉強してます」というと、ほぼ100パーセント「整体とどう違うんですか」と、聞かれることがわかりました。

「整体」というのは、野口晴哉氏(野口整体)の創始者が命名したものですが、現在巷に広がっている「整体」とは違うものです。野口先生の系統は「野口整体」と名乗っているようです。

一般の「整体」とは、鍼灸や柔道整復以外、つまり国家資格以外のものです。
リラクゼーション系統のもの、あるいは一般的な手技療法を含めて「整体」と言っているようです。 

と言うわけで、最初に、操体とは何か、ということを説明しましょう。 

操体とは

操体とは、1897年に生まれ、1993年に亡くなった、仙台の橋本敬三という医師が創案したものです。

一言で言えば「ボディの歪みを正し、二次的に症状疾患を改善する」というものです。

そして、それは他力的な矯正でもなく、痛みや苦痛を伴わず「きもちのよさ」でボディの歪みを正す、というものです。

整体とどう違うのか。
一言で言えば、操体以外の整体などの他力的手技療法は、
治療者は3つの義務(Duty)があります。

  1. 診断しなければならない
  2. 治療しなければならない
  3. 結果を出さなければならない

操体は自力自療(当サイトリンク参照)と言います。

自力自療とは、自分でできるという意味は勿論ありますが、これが「一人でできる」というように伝わっている場合もあります。

操体で言う自力自療とは、患者(被験者)自身が診断し、治療するということです。
また、整体などでも動かしてROM(可動域)などを診ますが、操体では「動かしてみて、本人にしかわからない感覚を分析する」のです。
 

例えば、可動域が広くても、楽でスムースでなんともないという場合もありますし可動域が狭くても、何だかきもちいい場合もあります。イタ気持ちいい場合もあります。
操体は、可動域を診るのではなく、動かしてみてどうなのか、ということを診るのです。

患者自身が医療者(治療者)の立場をとる、そしてそれにはきもちのよさが深く関わってきます。。

それには、患者(被験者・クライアント)自身にしかわからない、感覚を分析(診断)する事で操法(治療)に至ることを指します。

また、整体及び他力療法と全く違うのは
「快適感覚を味わうことによって、ボディの歪みを正す」
「症状疾患にとらわれず、ボディの歪みを快適感覚によって正し、二次的に症状疾患を解消する」
「本人にしか分からない感覚(快適感覚・きもちのよさ)をききわけ(これが診断・分析)、そのきもちよさを味わう(これが治療・操法)」

ということです。

なお、

操体は進化しています。
第一分析は、二つの動きを比較対照し、楽な方に動かし、瞬間急速脱力する(運動分析)
第二分析は、一つ一つの動きに快適感覚の有無を問いかけ、きもちよさがききわけられたら、十分に味わう。(感覚分析)

第三分析は、刺激にならない皮膚への接触により、無意識にアプローチする。
第四分析は・・・